kao-kao日記

優しい時間と笑顔の輪が広がりますように…。

すべての子どもたちと、かつて子どもだったおとなたちへ【エリック・カール展】

 今もなお、世界中の子どもたちに愛され、多くの人に忘れられない絵本になっている「はらぺこあおむし」。一冊の本のなかで異なるサイズのページが展開し、さらに丸く型抜きするなどの加工を施す複雑な製本は、当時のアメリカの印刷会社ではあまりにも費用がかさんでしまい、実現が難しかったため、1969年に発行された初版本は、日本で製作されたものだったのだそうです。

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 昨日は、そんな「はらぺこあおむし」の作者、エリック・カール展へ行ってきました。

 
f:id:kao-kao-n:20180528152610j:image美術館2階へ続く階段には、丸くカットされたカラフルなカッティングシートがたくさん貼ってありました。反対側の手すりにも!)

 

 「はらぺこあおむし」の他にも多くの絵本の原画が並ぶなか、その一つ一つの鮮やかさに大きく心を動かされたのは勿論のこと、エリック・カールの製作に対する思いや、作品に込められている願いにとても感銘を受けたのでした。思わず図録を購入するkaorin。

 

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 私は、子どもたちが経験する家庭生活から学校生活への移行というものに、特別な関心を寄せています。なぜならば、それは私自身の人生のなかで、とても困難な時期であったからです。私は、学校の始まりといこうというものを、アメリカとドイツで2回経験しています。まだ幼い6歳の少年の時分で、二つの文化と言語、異なる教育方法を体験することになったのです。子どもたちが家庭から学校へと旅立つ移行期を迎えるとき、もしくは新しい文化や国に移るとき、私の絵本たちが彼らにとってなにかしらの助けになれば、というのが私の願いです。

 絵を描くことによって、子ども時代の私は、私を取り巻く困難な世界から救われ、平穏を得ることができました。またそれは今も私を落ち着かせ、心からの安穏を与えてくれます。絵本のページを誰かと一緒にめくることが生む親密さや、私の物語が伝える希望に満ちたメッセージが、平和と美しさ、楽しみと学びをもたらしてくれればと思っています。(“エリック・カールからの手紙”より一部抜粋)


f:id:kao-kao-n:20180528144920j:image(“だんまり こおろぎ”より)

 

f:id:kao-kao-n:20180528140210j:image(“巨人にきをつけろ!”より)


f:id:kao-kao-n:20180528143931j:image(“10このちいさなおもちゃのあひる”より)

 

  「あ、鳥さんだ~」と、すぐに反応してしまいまうkaorin。ここでご紹介したのはほんの一部だけれど、コラージュの細かさに驚きながらも、その世界観とカラフルな作品の数々に出逢い、何だかとても満たされた気持ちになったのでした。

 印刷されたものと原画は違うな~と感じます。やはり原画はもっと素晴らしい。

 

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最終日に間に合ってよかった。

*kaorin*