販売促進用POPを描いていた頃の話
20代の半ば頃、私はあるお菓子屋さんの販売促進課でPOPを描いていました。
そのお菓子屋さんは、地元では昔から有名なお店で、洋菓子も和菓子もある老舗です。
本社の工場の中に事務所や応接室などがあり、建物の真ん中に窓のない小さな作業部屋がありました。
その小さな部屋の中にあったのが販売促進課でした。
そこで各店舗分のPOPを任され、せっせと描く毎日。
当時は、市内を中心に28店舗あり、各店舗に商品を届ける際、配送さんに一緒にPOPを届けてもらうのだけれど、それぞれのお店で自分が描いたPOPを見かけると、嬉しくてつい顔がほころんでしまったものでした。
店名のマークや商品名などは決められたロゴがあり、その通りに描くことを求められましたが、毎月のイメージPOPはある程度自由に描かせていただけました。(それでも決まりはありましたが…)
現在はパソコンを使って仕上げているようですが、私の時は全て手描きでした。
コピーはせず、全く同じものを描く。
イベントがあればそれに向けたPOPを描き、シーズンごとのPOPや、ケーキの商品名も一つ一つ手描き。
販売促進用のPOPをただひたすら描くお仕事。
今思えば、随分効率が悪そうなのだけれど、お局様(彼女のOKが出ないとPOPを配送出来ない)にもめげずに頑張っていました。
描くことは大好きだったけれど、自分を出せないというのは少し苦しくもありました。
絵は“自分を表現するものとして描いていたい”という思いと、常に隣り合わせだったように思います。
そうそう、工場から出来立てのお菓子を味見させていただいたこともあったなぁ…。
店頭には並ばない出来立てをいただけるのは、どこか特別な感じがしました。
結局、辞めることになったのだけれど、あの時、引っ越して来たばかりのこの土地で、まだ友達もいなかった私がよく頑張ったなぁ…なんて。(^-^ゞ
今でも心に残っているお仕事の一つなのでした。(手描きの良さってありますよね♪)
羊毛フェルトに出会ったのは、その数年後のこと。
ランタナの前で…♪
和名はシチヘンゲ(七変化)。
鮮やかな色の花をつけ、花の色が次第に変化することに由来するそう。
花言葉は…
『厳格』『合意』『強力』『確かな計画』